ドストエフスキーとてんかん/病い


<抜粋>

病の善用を神に求める祈り(断章14)

ブレーズ・パスカル 
前田陽一 訳

わたしの神よ、つねに等しい同様の精神をもって、あらゆる種類の出来事を受け入れさせてください。なぜなら、わたしたちは何を求めるべきかを知らず、僭越におちいることなしに、またあなたの知恵が正当にもわたしに隠すことを望まれた結果の審判者または責任者とみずからなることなしに、二つのうち一つを希望することはできないからであります。主よ、わたしはただ一つのことを知っているだけです。それはあなたに従うのは善で、あなたにさからうのは悪であるということであります。このほかには、すべてのことのうちどれが善く、どれが悪いかを知りません。健康と病気、富と貧しさと、この世のあらゆることがらのうち、どれが自分に有益であるかを知りません。それは人間と天使との力を超え、あなたの摂理の秘密のうちに隠されている分別であります。その摂理をわたしはあがめ、あえて探索しようとは思いません。